大人の英語学習者が発音で目指すべき1つの到達点とは?

英語学習

英語学習において発音は外すことのできない要素であり、非常に興味深い分野でもあります。大人の英語学習者が、綺麗な発音で英語を話している日本人あるいはアジア人を見かけると「おぉっ」となってしまうのではないですか?尊敬と羨望の入り混じったため息w。

英語が世界の共通語となった現在、英語はいたるところで様々なアクセントや発音で話されています。アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語と主要な英語圏の国で話されている英語に加え、イタリア、フランス、インド、ベトナム、シンガポール、アフリカならガーナ、ナイジェリア、エリトリアなどとほんとうに数多くのアクセントに触れてきました。

アメリカ、イギリス、オーストラリアの中でも地域によってアクセントは結構変わります。ニューヨーカーのアクセント、アメリカ南部のアクセント、イギリスはかなり細かいんじゃないでしょうか。そういう意味ではイギリスは、同じ島国の日本と似ているのかも。アクセントではないですが日本もたくさんの方言がありますよね。少なくとも都道府県の数はあるんじゃないでしょうか?もちろんお隣の韓国や日本人の話す英語にもアクセントはあります。

そんないろいろな国のアクセントを真似たYoutube動画も結構あると思います。そういえば以前、カナダに住む友人(日本人)がそんな動画の一つを送ってくれました。ものすごく上手で思わず笑ってしまいましたが、あまりにも面白くて何回か見てしまいました。これです。

では、大人の英語学習者が発音で目指すべき1つの到達点とは、という本題に入っていきたいと思います。

そもそもなぜこんなにたくさんのアクセントがあるのか?

これはいろいろ考えたんですが(あくまで個人的な意見ですw)、一つは言語によって使う顔の筋肉が違うっていうことかなと。表情筋を鍛えましょう、みないな記事があると思うんですが、顔の筋肉って30種類以上あるんですよね。この顔の筋肉ですが、言語によって使う筋肉が違うと思うんですよ。もちろん共通の筋肉もあると思いますよ。でもある言語でよく使い、別の言語でほとんど使わない筋肉ってあると思います。音楽で例えると、使うコードによって同じメロディーでも違った表情を見せるように、使う筋肉が違うので同じことを言ってもちょっと違って聞こえるみたいな。

たまに大笑いすると顔の筋肉が痛くなったりしますよね。普段使っていないから。同じ理由で、英語を話さない人が英語の発音の練習を急にやると顔面筋肉痛になったりします。日本人が苦手なTHの音ですが、ネイティブの大人は生まれてから1日何百回、あるいはそれ以上、その発音をするための筋肉を使ってきているわけです。一方全く使っていなかった筋肉を急に使うとそりゃ痛くもなりますよね。そういうわけで発音の練習をする(英語で使う筋肉を使う)時間をたくさん取るのは結構大切だと思います。アウトプットが大切な理由の1つかも。

もう1つの理由は言語の発達は地域は密接に根ざしているから。つまり文化とか気候とか風土とかそういうものが、言葉の発達に大きく寄与しているという考え方。だからイギリスとアメリカでは全然違うし、国の中でも地域によってアクセントや方言が異なってく。言語ってそういう風に作り上げられていくのかな、と思います。

ちなみに当たり前の話なのですが、触れたことのないアクセントは分からないんですよね。メルボルンでよくカフェに行っていたのですが、ある時友人が、あるカフェのスタッフの一人のことを「彼女の英語、南アフリカ訛りよね」と言っていたのですが、さっぱり分からなかった。そういう意味ではスコットランドのアクセントとか、アイルランドのアクセントなども触れる時間が少なかったので、すごく強いイギリスのアクセントみないに感じていました。そして本当に強いアクセントで話されると、言っていることが本当に分からないです。。。オーストラリアに移住した当初はオージーアクセントもほんと分からなかった。そういう意味では聴き続けると耳は慣れていくと思います。

じゃあ何を目指すの?

これは、人それぞれ思い思いの夢があると思います。オーストラリアで出会ったコリアンの友人はイギリスが好きすぎて、イギリスに住んだことがないにもかかわらず、オーストラリアでもずっとイギリス訛りの英語を話していました。なので自分の理想のアクセント、発音、話し方があるならば、それを目指してがんばるのもいいと思います。ちなみに英語を話す国に住むなら、あなたの英語はその国のアクセントに影響される可能性が大です。というか影響受けますw。

でも今回の記事の本題でもある、大人の英語学習者が発音で目指すべき1つの到達点という点で考えるなら、日本語アクセントは多少残ってもいいので100%相手に理解してもらえるアクセントを1つの到達点・通過点として目指してほしいと思います。これは大人の英語学習者にとって簡単な目標ではないですが、達成不可能な目標でもないと思います。というかそれなりに努力すれば達成可能なとてもすばらしい目標だと思います。

実は大人になってから英語を始めた学習者にとって「あなたの発音ネイティブみたい」とか「あなたの英語には日本語のアクセントが全く無いわね」と言ってもらうのは結構ハードルが高いと思います。でももし先ほど述べた到達点を通過できるなら、次の目標に据えるのもいいかもしれませんね。その頃にはもう努力することは苦ではなくなっていると思うので。

オリジナルとコピー

何でもそうですが、オリジナルとコピーではどちらの価値がより高いでしょうか?もちろんオリジナルです。ティファニーのピンクロータスという読書ランプをご存知でしょうか?そのオリジナル(1906)は1997年のオークションで280万ドルで落札されました。当時のレートで約3億3600万円です。コピーならそれほどの値はつかなかったでしょう。

コピーはオリジナルを超えられないということを示していると思います。天才が大量のコピー(天才のコピーをする人たち)を生み出すというのもそうでしょう。デジタルピアノがグランドピアノを超えられないとか。他にも例を挙げると、北欧風とかレンガ調など、〜調、〜風というやつですね。売れるという理由でそういう商品を作るんだと思いますが、北欧の家具は北欧家具を超えれませんし、コストダウンのために天板は天然木じゃなくラミネートだったりw、レンガ調の家もレンガの家の重厚感や防音性はないわけです。そしてどうせなら、ナポリ風のピザよりナポリのピザが食べたいですよねw。

そんな感じでネイティブスピーカーに近づくのは簡単なことではありません。大人になってから英語を始める場合は特にそう言えます。大人になってから学んだのに話す英語に日本語アクセントが全く無いと、ネイティブに驚かれますが、その一方で、日本語のアクセントがある英語はキュートだ、というネイティブもいます。

ですから最も精巧なコピーを目指すのではなく、100%理解できる日本語アクセントの英語というオリジナルを目指すこともできます。コピーはオリジナルを超えられない。英語がネイティブの日本人ならそれがオリジナル。日本語ネイティブの日本人なら日本語アクセントもありだと思います。オリジナルになれるので。アクセント・発音はそこそこで、あとは中身で勝負w。恥ずかしく思う必要はまったくありません。でもよくよく考えると、驚かれるよりキュートな方が人としては魅力的だし、友達も作りやすいですよ。

まとめ

相手に理解してもらえる英語を話せるなら、多少アクセントがあろうがあなたの英語はもう立派なコミュニケーション・ツール(道具)です。道具にどこまでこだわるか?それはあなた次第です。でも日本語アクセント付きの英語、オリジナルなので結構いいですよ。